地元のワイン用ブドウを使ったゼリー
学校名 | 大阪府立富田林高等学校 |
会社名 | グレープチャーム |
商品名 | B-onゼリー |
部署・役職 | 学年 | ニックネーム |
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社長 | 2年 | ゆいたに |
経理部 | 2年 | のあ |
仕入れ部 | 2年 | Hey |
広報マーケティング部 | 2年 | よこ |
広報マーケティング部 | 2年 | やんやん |
リンク集
商品・サービスの説明
〈動機〉
私たちの在籍している富田林高校のある南河内地方は、大阪の中でも多くの山や川などの自然に恵まれている地域です。しかしながら、大阪府外の方からは認知度が低いことが課題です。大阪といえば梅田やユニバーサルスタジオジャパンなどの都市部や観光地を想像する方が多いでしょう。しかし、大阪の南河内には他県の方、延いては大阪在住の方でもあまり知らないような魅力的な名産品が数多くあります。そんな南河内の名産品で私たちが注目したのが「羽曳野のぶどう」です。
昔は全国的にも有数のぶどうの生産地であった羽曳野のぶどう農園は、後継者不足などで規模が縮小していると、ぶどう農家の方にインタビューをした際に知りました。そこで、私たちがぶどうを使った製品を作ることによって羽曳野のぶどうをもっと色々な地域にアピールでき、南河内を盛り上げていけるのではと考えました。また、羽曳野はワインの生産も有名であり、ワインについて調べていくと、ワインには、沈殿物である「澱」というものが生成されるという事がわかりました。澱はワインが熟成される過程でタンニンという渋み成分、色素成分であるアントシアニンといったポリフェノールやタンパク質が結合し、結晶化されたワインの沈殿物です。澱はワインを飲む際の舌ざわりの悪さや渋みといった点から製造時に取り除かれ廃棄されてしまう部分ですが、澱を使用したシロップが発売されていると知り、私たちの製品作成に活かせないかと思い使用することにしました。
数多くある選択肢からゼリーを選択した理由としては、生活に身近な食品にすることによってより多くの方に手に取っていただける商品になると考えたからです。また、食品の中でもゼリーは老若男女幅広い層に人気があると考えられ、気軽に食べるのに適した食品なので、羽曳野のぶどうを他の地域により広めるという目的に最適だと考えました。
〈商品説明〉
1.使用するぶどうについて
生食用のぶどうの果汁ではなく、旨味の凝縮感や糖度の高いワイン用ぶどうの果汁を使用します。また、私たちは、ぶどう農園・ワイナリー「河内ワイン」様へのインタビューを行った際、普段廃棄されているワイン用ぶどうがあるという話に加え、あまり手入れされていないぶどう畑があるというお話をいただきました。私たちはその畑の再生を自ら行い、ぶどうの栽培から商品生産まですべてに携わることを決意しました。そこでとれたぶどうを使って、フードロスの削減に貢献するとともに、人件費も含めてコストを抑え、消費者の方々に商品を安価に提供したいと考えています。
2. 混ぜる「澱」について
「澱」は、ワインの成分であるタンニンやポリフェノール、タンパク質などが熟成中に結合した沈殿物です。この「澱」は普段活用先がなく、廃棄されています。それをゼリーに混ぜることで、フードロス削減にも貢献できるうえ、適度な渋み成分によって味に深みが出ると期待しています。
3.ゼリーの形態について
今回協力していただく「菓子工房yamao」様と、ゼリーの形態について話し合った結果、スタンドパックを用いた「飲むゼリー」タイプにすることにしました。「飲むゼリー」タイプの利点としては、スプーンが不要のため、使い捨てスプーンなどのごみの軽減についても貢献できると考えました。また、常温でも冷蔵でも冷凍でも美味しいゼリー開発をめざしているので、冷凍でも食べやすい「飲むゼリー」タイプが適していると考えました。
4.商品名について
私たちは、HABIKINO(羽曳野)からHAIKI(廃棄食材)を減らすという思いから、2つの単語の共通のアルファベットを引いて残った文字である、「B-on(ビーオン)」と名付けました。また、
「Bon(ボン)」とは、フランス語では「良い」という意味もあるので、「社会にとってよりよい商品をつくりたい」という私たちの思いをよく表していると考えました。
セールスポイント
〈羽曳野の特産品「ぶどう」の普及〜南河内という地域を盛り上げたいという思い〜〉
私たちの学校がある大阪の南河内という地域は、人口減少・知名度の低さなど様々な課題があります。南河内を盛り上げていきたいと考えたときに、私たちの地域の中ではよく知られていますが、まだまだ全国的には知名度が低いと予想する「羽曳野のぶどう」に注目しました。
大阪ぶどうの歴史は古く、江戸時代から栽培が始まり、本格的に経済栽培が行われるようになったのは明治時代と言われています。羽曳野市などを中心として、ぶどう産業は大発展し、一大産地が形成されたとされています。1920、1930年代には、羽曳野などを主産地とする大阪のぶどうは栽培面積が全国1位、1975年には欧米の種デラウェアの生産量で全国1位になったりもしましたが、今では高齢化や跡継ぎがいないという問題で、生産量が当時の10分の1ほどになってしまっています。
そこで、羽曳野のぶどうを用いた商品を製作し、南河内・羽曳野ぶどうの知名度を上げることで、微力ながら後継者不足に苦しむ羽曳野の農家さんの力になりたいと考えました。
〈通常廃棄される食材を活用する〉
私たちの商品は、廃棄される食材を用いたゼリーです。
まず、原材料として廃棄ぶどうの果汁を用います。ワインを作る際に、最初にたくさんのぶどうの中から形や色などを見て、どれを収穫してワインにするのかを決めます。適したぶどうが収穫された後、残ったぶどうはそのまま枯らして廃棄してしまうのだと、「河内ワイン」様へインタビューをさせていただいた際に教わりました。そのぶどうを使えば、フードロスの削減に貢献でき、さらにコストを抑えて、消費者の方に商品をより安価に提供できると考えました。
また、ワインをつくる過程で通常廃棄される「澱」を混ぜたいと考えています。「澱」は、ワインやぶどうジュースの製造時に取り除かれ、廃棄される沈殿物です。タンニンやポリフェノールなどを含んでおり、その適度な渋みによりゼリーの味に深みが出せると期待しています。
これらの「廃棄ぶどう」、「澱」を加工することによって、「廃棄×廃棄=おいしい」の実現をめざします。それによって、フードロスを減らし、私たちもSDGsの目標の達成に貢献できると考えました。
〈生産から販売まで自分たちで行う〉
私たちは、「河内ワイン」様のご協力のもと、ぶどう畑の再生から携われることになっております。原材料のぶどうの栽培・収穫から商品の生産までを自分たちで行うことによって、消費者の方々に生産者の顔が分かる安心感を提供できると考えています。
さらには、ぶどう作りについて身をもって学ぶことで、南河内の農業の活性化のために、より説得的なアピールができるのではないかと考えています。
〈ぶどうの魅力「グレープチャーム」〉
ぶどうには抗酸化作用のあるアントシアニン、レスベラトロールなど、たくさんの栄養素が含まれています。これらは、生活習慣病の予防や老化防止にも効果が期待されています。
ぶどうは大きく分けて2種類あり、生食用のぶどうとワイン用ぶどうがあります。この2つのぶどうは、栽培方法に大きな違いがあります。ぶどう畑のうち、ビニールシートが被せられているのが生食用のぶどうで、それに対し、ビニールシートをせず広範囲で栽培するのがワイン用ぶどうとなっています。栽培方法が異なるため、栽培されるぶどうも大きく異なってきます。例えば、生食用のぶどうは1粒10g-20g程ですが、ワイン用のぶどうは1粒1g-3gとなっており、糖度においても生食用のぶどうは16-20度程ですが、ワイン用のぶどうは17-23度となっています。また、生食用のぶどうは水分量が多くワインに向かず、ワイン用のぶどうは小さな粒にぶどうの旨味を凝縮しています。この2種類のぶどうの違いをまとめると、生食用のぶどうは「外見の美しさ・粒の大きさ・水分量の多さ」というのが特徴ですが、ワイン用のぶどうは「旨味の凝縮感・香り・酸度・糖度」というのが特徴になっています。
私たちはこの2種類あるぶどうから、旨味の凝縮感や糖度の高いワイン用ぶどうを使用することにしました。普段手にすることの多い生食用のぶどうとは違い、旨味の凝縮感や糖度の高いワイン用ぶどうを使用するため、普段はあまり体感することのできない、特別な美味しさを味わうことができると期待しています。
〈「飲むゼリー」タイプへのこだわり〉
私たちの商品は、形状にもこだわっています。スタンドパックを用いた「飲むゼリー」という形にすることによって、スプーンが不要のため、使い捨てスプーンなどのごみの軽減についても貢献できると考えました。また、片手で食べられるため、通常のカップタイプのゼリーよりも手軽に食べやすいという利便性もあります。さらには、常温、冷蔵、冷凍どの状態でも食べることができるため、いろいろな環境下の中でも美味しく食べることができると考えます。実際にyamao様からいただいたスタンドパックを用いて、家庭科室で飲むゼリーの試作品を作ってみたところ、常温・冷蔵・冷凍どれも美味だったため、ネット販売では常温、手売り販売では冷蔵・冷凍など、販売の幅が広がると考えています。
実現可能性
〈企業との連携〉
①ぶどう農園・ワイナリー
原材料であるぶどうの確保については、ワイナリー「株式会社河内ワイン」様に協力していただけることになっています。班員で「河内ワイン」様にインタビューに伺ったところ、「河内ワイン」様が所有している農園の中に、ぶどうはとれるがあまり手入れされていないぶどう畑があるということだったため、そこを私たちが再生させていただく中で、私たちは羽曳野の特産品であるぶどうについて、栽培の仕方から身をもって学ばせていただきます。そして、自分たちで育てたぶどうを自分たちで収穫します。さらに、「河内ワイン」様にぶどうの果汁を人力で絞る機械を貸していただき、果汁の状態で加工会社である「菓子工房yamao」様に持ち込むことになっています。
また、商品に加えようと考えている「澱」についても、河内ワイン様のワインやぶどうジュース製造の際にできた、通常廃棄する「澱」を無料でいただけるという約束がいただけました。
②加工会社
ぶどう果汁からゼリーへの加工・包装については、富田林の「菓子工房yamao」様に依頼しました。この会社のお菓子は大変美味しいと地元で評判で、人気の高いお菓子屋さんです。今回、商品製作依頼の相談に伺った際も、南河内の名産品である「羽曳野のぶどう」と「澱」を使い、ゼリーを作って地域に貢献したい、さらにはフードロス削減に貢献したいという私たちの意見にもたくさん耳を傾けてくださいました。一次審査を通ることができたら、「商品開発」「商品製作」「包装」において協力していただける事になっています。このように、羽曳野市の会社様・農家様だけでなく、同じ南河内地域である富田林市の会社様からもご協力いただくことによって、南河内地域全体を盛り上げていけるのではないかと私たちは期待しています。また、ゼリーは、「菓子工房yamao」様が普段から製造しているものであるため、認可の面においても心配はありません。 以上から、この2社様と連携して、私たちのアイデアを商品として製作することは十分実現可能だと考えています。
〈羽曳野のぶどう農家様との連携〉
私たちは、羽曳野のぶどうについて調べるに当たって、羽曳野で40年間ぶどうを育て、羽曳野市ぶどう就農促進協議会長のご経験のある「上幾農園」の上田様を訪ねてインタビューを行いました。その際に、私たちの活動に共感してくださり、商品の開発や販売について相談に乗ってもらえました。今後も、私たちの活動にご協力いただけるというありがたいお言葉をいただけております。
〈富田林市や学校との連携〉
一次審査を通過した場合、私たちの活動と商品を、本校のホームページやブログに掲載することを予定しています。また、富田林高校と富田林市は密に連携しており、富田林市の広報紙やインターネットテレビ「富田林テレビ」に売り込み、取り上げていただけるようお願いしています。
〈広報について〉
自分たちでチラシを製作し、学校や地域の掲示板に掲示させていただきます。また、Instagram、
X(旧twitter)を開設し、概要欄にショップURLを掲載します。これらのSNSには、ぶどう畑の再生計画の経過や商品製作の過程などを掲載しようと考えています。また、早い時期から新聞社様やテレビ放送局様にも手紙などを使って積極的に情報を売り込みたいと考えています。