e35 グレープチャーム

地元のワイン用ブドウを使ったゼリー

学校名大阪府立富田林高等学校
会社名グレープチャーム
商品名B-onゼリー
部署・役職学年ニックネーム
社長2年ゆいたに
経理部2年のあ
仕入れ部2年Hey
広報マーケティング部2年よこ
広報マーケティング部2年やんやん

リンク集

商品・サービスの説明

〈動機〉

 私たちの在籍している富田林高校のある南河内地方は、大阪の中でも多くの山や川などの自然に恵まれている地域です。しかしながら、大阪府外の方からは認知度が低いことが課題です。大阪といえば梅田やユニバーサルスタジオジャパンなどの都市部や観光地を想像する方が多いでしょう。しかし、大阪の南河内には他県の方、延いては大阪在住の方でもあまり知らないような魅力的な名産品が数多くあります。そんな南河内の名産品で私たちが注目したのが「羽曳野のぶどう」です。
 昔は全国的にも有数のぶどうの生産地であった羽曳野のぶどう農園は、ぶどう農家の高齢化や後継者不足により、手が回らなくなってしまった農園が増加していることが課題となっています。農園の放置によって、収穫されずに落ちてしまったぶどうを害獣や害虫が狙ってやってくるため、畑が荒らされるなどの被害があるということです。そこで、人手不足で収穫されないまま傷んでしまい、廃棄される予定だったぶどうの収穫を私たちが実際にお手伝いし、収穫されないまま傷んでしまい廃棄される予定だったぶどうを用いて製品を作ることによって、廃棄ぶどうや羽曳野地域の害獣・害虫被害を減らすことができると考えました。
 数多くある選択肢からゼリーを選択した理由としては、生活に身近な食品にすることによって、より多くの方に手に取っていただける商品になると考えたからです。また、食品の中でもゼリーは老若男女幅広い層に人気があると考えられ、気軽に食べるのに適した食品なので、羽曳野のぶどうを他の地域により広めるという目的に最適だと考えました。ゼリーの製作には、富田林市の人気の菓子工房である「菓子工房yamao」様に担っていただけることになりました。そうすることで、ともに南河内地域である羽曳野市と富田林市をつなげ、両市に魅力を生み出すことで、南河内地域全体の活性化につなげたいと考えています。
 このような私たちの活動によって、羽曳野のぶどう、さらには南河内地域をアピールして、南河内地域を盛り上げていきたいと考えています。

〈商品説明〉

1.使用するぶどうについて
 今回原料となるぶどうは、羽曳野市のぶどう農園・ワイナリー「河内ワイン」様が管理されておられる農園でとれたもので、すべて南河内産です。こだわりとしては、多くの人がふだん食べ慣れている生食用のぶどうの果汁ではなく、旨味の凝縮感や糖度の高いワイン用ぶどうの果汁を使用するので、普段はあまり体感することのできない、特別な美味しさを味わうことができます。
 「河内ワイン」様は、高齢化・後継者不足によって手が回らなくなってしまった農園をたくさん引き取っておられますが、作業する人手が足りず、収穫しきれず落ちてしまうぶどうが多くあるとお伺いしました。今回、私たちは夏休みにぶどうの収穫作業のお手伝いをして、収穫しきれないはずだったぶどうを傷んでしまう前に自分たちで収穫し、商品として有効活用しました。そうすることで、フードロスの削減に貢献するとともに、生産者の顔が見える安全性をアピールしたうえで、人件費も含めてコストを抑え、消費者の方々に商品を安価に提供したいと考えています。

2.ゼリーの形態について
 今回協力していただく「菓子工房yamao」様と、ゼリーの形態について話し合った結果、スタンドパックを用いた「飲むゼリー」タイプにすることにしました。「飲むゼリー」タイプの利点としては、スプーンが不要のため、使い捨てスプーンなどのごみの軽減についても貢献できると考えました。また、常温でも冷蔵でも冷凍でも美味しいゼリー開発をめざしているので、冷凍でも食べやすい「飲むゼリー」タイプが適していると考えました。

3.商品名について
 私たちは、HABIKINO(羽曳野)からHAIKI(廃棄食材)を減らすという思いから、2つの単語の共通のアルファベットを引いて残った文字である、「B-on(ビーオン)」と名付けました。また、「Bon(ボン)」とは、フランス語では「良い」という意味もあるので、「社会にとってよりよい商品をつくりたい」という私たちの思いをよく表していると考えました。

セールスポイント

〈羽曳野の特産品「ぶどう」の普及〜南河内という地域を盛り上げたいという思い〜〉

 私たちの学校がある大阪の南河内という地域は、人口減少・知名度の低さなど様々な課題があります。南河内を盛り上げていきたいと考えたときに、私たちの地域の中ではよく知られていますが、まだまだ全国的には知名度が低いと予想する「羽曳野のぶどう」に注目しました。
 大阪ぶどうの歴史は古く、江戸時代から栽培が始まり、本格的に経済栽培が行われるようになったのは明治時代と言われています。羽曳野市などを中心として、ぶどう産業は大発展し、一大産地が形成されたとされています。1920、1930年代には、羽曳野などを主産地とする大阪のぶどうは栽培面積が全国1位、1975年には欧米の種デラウェアの生産量で全国1位になったりもしましたが、今では高齢化や跡継ぎがいないという問題で、生産量が当時の10分の1ほどになってしまっています。
 そこで、羽曳野のぶどうを用いた商品を製作し、南河内・羽曳野ぶどうの知名度を上げることで、微力ながら後継者不足に苦しむ羽曳野の農家さんの力になりたいと考えました。

〈廃棄される予定のぶどうを活用する〉

 私たちの商品は、収穫しきれず廃棄される予定だったぶどうを用いたゼリーです。
 今回、私たちは夏休みに「河内ワイン」様の農園で、ぶどうの収穫作業のお手伝いをして、収穫しきれないはずだったぶどうを傷んでしまう前に自分たちで収穫し、商品として有効活用しました。そうすることで、害獣・害虫被害やフードロスの削減に貢献することができ、私たちもSDGsの目標の達成に貢献できると考えました。

〈収穫から販売まで自分たちで行う〉

 私たちは、「河内ワイン」様のご協力のもと、ぶどう農園での作業に携われることになっております。原材料のぶどうの収穫から商品の生産までを自分たちで行うことによって、消費者の方々に生産者の顔が分かる安心感を提供できると考えています。
 さらには、ぶどう作りについて身をもって学ぶことで、南河内の農業の活性化のために、より説得的なアピールができるのではないかと考えています。

〈ぶどうの魅力「グレープチャーム」〉

 ぶどうには抗酸化作用のあるアントシアニン、レスベラトロールなど、たくさんの栄養素が含まれています。これらは、生活習慣病の予防や老化防止にも効果が期待されています。
 ぶどうは大きく分けて2種類あり、生食用のぶどうとワイン用ぶどうがあります。この2つのぶどうは、栽培方法に大きな違いがあります。ぶどう畑のうち、ビニールシートが被せられているのが生食用のぶどうで、それに対し、ビニールシートをせず広範囲で栽培するのがワイン用ぶどうとなっています。栽培方法が異なるため、栽培されるぶどうも大きく異なってきます。例えば、生食用のぶどうは1粒10g-20g程ですが、ワイン用のぶどうは1粒1g-3gとなっており、糖度においても生食用のぶどうは16-20度程ですが、ワイン用のぶどうは17-23度となっています。また、生食用のぶどうは水分量が多くワインに向かず、ワイン用のぶどうは小さな粒にぶどうの旨味を凝縮しています。この2種類のぶどうの違いをまとめると、生食用のぶどうは「外見の美しさ・粒の大きさ・水分量の多さ」というのが特徴ですが、ワイン用のぶどうは「旨味の凝縮感・香り・酸度・糖度」というのが特徴になっています。
 私たちはこの2種類あるぶどうから、旨味の凝縮感や糖度の高いワイン用ぶどうを使用することにしました。普段手にすることの多い生食用のぶどうとは違い、旨味の凝縮感や糖度の高いワイン用ぶどうを使用するため、普段はあまり体感することのできない、特別な美味しさを味わうことができると期待しています。

〈「飲むゼリー」タイプへのこだわり〉

 私たちの商品は、形状にもこだわっています。スタンドパックを用いた「飲むゼリー」という形にすることによって、スプーンが不要のため、使い捨てスプーンなどのごみの軽減についても貢献できると考えました。また、片手で食べられるため、通常のカップタイプのゼリーよりも手軽に食べやすいという利便性もあります。さらには、常温、冷蔵、冷凍どの状態でも食べることができるため、いろいろな環境下の中でも美味しく食べることができると考えます。実際に「菓子工房yamao」様からいただいたスタンドパックを用いて、家庭科室で飲むゼリーの試作品を作ってみたところ、常温・冷蔵・冷凍どれも美味だったため、ネット販売では常温、手売り販売では冷蔵・冷凍など、販売の幅が広がると考えています。

実現可能性

〈企業との連携〉

1.ぶどう農園・ワイナリー
 原材料であるぶどうの確保については、「河内ワイン」様に協力していただけることになっています。班員で「河内ワイン」様にインタビューに伺ったところ、「河内ワイン」様が所有している農園の中に、ぶどうはとれるが収穫の手が回っていないぶどう畑があるということだったため、私たちが作業に参加させていただき、農作業のお手伝いをするとともに、羽曳野の特産品であるぶどうについて身をもって学ばせていただきます。そして、「河内ワイン」様にぶどうの果汁を絞る機械を貸していただき、果汁の状態で加工会社である「菓子工房yamao」様に持ち込むことになっています。

2.加工会社
 ぶどう果汁からゼリーへの加工・包装については、富田林の「菓子工房yamao」様に依頼しました。この会社のお菓子は大変美味しいと地元で評判で、人気の高いお菓子屋さんです。今回、商品製作依頼の相談に伺った際も、南河内の名産品である「羽曳野のぶどう」を使い、ゼリーを作って地域に貢献したい、さらにはフードロス削減に貢献したいという私たちの意見にもたくさん耳を傾けてくださいました。
 このように、羽曳野市の会社様・農家様だけでなく、同じ南河内地域である富田林市の会社様からもご協力いただくことによって、南河内地域全体を盛り上げていけるのではないかと私たちは期待しています。また、ゼリーは、「菓子工房yamao」様が普段から製造しているものであるため、認可の面においても心配はありません。
 以上から、この2社様と連携して、私たちのアイデアを商品として製作することは十分実現可能だと考えています。

〈羽曳野のぶどう農家様との連携〉

 私たちは、羽曳野のぶどうについて調べるに当たって、羽曳野で40年間ぶどうを育て、羽曳野市ぶどう就農促進協議会長のご経験のある「上幾農園」の上田様を訪ねてインタビューを行いました。その際に、私たちの活動に共感してくださり、商品の開発や販売について相談に乗ってもらえました。今後も、私たちの活動にご協力いただけるというありがたいお言葉をいただけております。

富田林市・羽曳野市・大阪府や学校との連携

 私たちの活動と商品を、富田林高校のホームページやブログに掲載することを予定しています。また、富田林高校生の活動として、富田林市の広報活動の中で取り上げていただけるようお願いしているところです。
 さらには、羽曳野市役所と観光局と密に連携をとらせていただき、広報活動としてSNSへの掲載や、イベントへの出店などの実現に向けて相談させていただいているところです。また、大阪府庁へのお話をさせていただいているところです。

〈広報活動について〉

 自分たちでチラシを製作し、学校や地域の掲示板に掲示させていただきます。また、Instagram、
X(旧twitter)を開設し、概要欄にショップURLを掲載します。これらのSNSには、ぶどう畑の再生計画の経過や商品製作の過程などを掲載しようと考えています。また、早い時期から新聞社様やテレビ放送局様にも手紙などを使って積極的に情報を売り込みたいと考えています。